前から気になっていたメーカーだったのですが、試打クラブはなかなか無いし、どんなコンセプトでクラブ作りをしているのかなどあまり情報が無く、カタログを見たり雑誌記事を見たりして多少の知識はあったつもりだったのですが、今回は実際にクラブ設計に携わる方にお時間を割いていただき、いろいろお話を聞かせていただいた上に試打もたっぷりさせていただきました。ありがとうございました。

  

上の写真は現在発売中のFWの型から出したままのパーツです。一番左の写真はソール側ですが、製品では中央のくぼみの部分に比重の重い金属が圧着されます。フェース面も別パーツになっており、右の写真を見ていただくとわかるように3つのパーツからヘッドができあがっています。

 現在発売中のZe-450(右)と幻のZe-420(左)

上の写真は現在超大型ヘッドとして販売されているZe-450ですが、その開発の過程で450ccではなく、420ccのZe-420というモデルも作られていたそうです。最終的にテストを重ねせっかくできたZe-420は市販せず、Ze-450のみ商品化したとのことです。この辺の割り切りが色々お話を聞いているとAKIRAらしいところと言う感じがしました。

 

 

上の段がZe-420で、下の段がZe-450です。形状的にはほとんど同じで、あまり大型ヘッドに慣れていない私にとってはZe-450の方が良い感じでした。ですが、このZeの2本を実際に打ち比べて見ると「なるほど」と思う感触でした。Ze-420よりはZe-450の方がコンセプトがはっきりして特徴がわかりやすいクラブに仕上がっていました。入っているシャフトのせいもあったかもしれませんが、大型ヘッドも意外と使えるんだなと印象でした。

  

上のクラブはゴルフフェアの時にも見せてもらいこれは是非打ってみたいと思ったクラブの一つで、実にオーソドックスな、上級者が好みそうな癖のない形状で完璧なシェープを持つクラブでした。上の右の写真を見るとわかるように、シャフトはFUJIKURAのオリジナルシャフトを装着しています。
ロフトの違いによりモデル名はTM-85(8.5度)、TM-95(9.5度)となっており、8.5度は結構立って見えました。

こちらは完全に上級者ターゲットのクラブで、実際に打たせていただいた感じでもこれは気が抜けないなと言う感じで、かなり手強い感じでした。ですが、苦手なFUJIKURAが入っていたせいもあると思います。

 AKIRAの社用車です(大きなロゴがかっこいいです)

 

試打クラブをこんなに用意していただきシャフトのフレックスが合う全てのクラブを打たせていただきました。

今回試打させていただき一番好感触だったのが下記のクラブです。

  

そのモデルはL.C.R.モデルで、ヘッド体積により、375、400、425と3種類があります。ここでまさにAKIRAらしいのはそれぞれのモデルに1種類のロフトしかラインナップしていないことで、375は9度、400は10度、425は11度となっています。

好感触だったのは一番左の375 L.C.R.で、これはシャフトも良い感じでした。弾道も吹け上がらず丁度良い感じでした。ヘッドもフェースアングルがプラス方向に行きすぎておらず良かったです。打感も上のTM Seriesの打感を上回ることはありませんでしたが、高反発のヘッドにありがちな硬いイメージの打感ではなく心地良い感触でした。

今回色々お話を聞かせていただきAKIRA Productsの商品開発コンセプトがおぼろげではありますがわかったと思います。なにしろAKIRAの方もおっしゃっていたのですが、とにかく作ってみるそれをより良い物にしていくという大手メーカーにはできない身軽な動きが商品の開発の効率の良さに反映されていると思います。

私の中では地クラブ的な印象だったメーカーですが、その商品開発に取り組む姿勢、そしてできてきたクラブの完成度の高さは想像以上の物でした。
長い間お話におつきあいいただき、試打にまでおつきあいいただいたAKIRAのスタッフの皆さんありがとうございました。