研磨編

最近プロの中でも人気急上昇中のMT-28 Wedgeですが、1日に3本から4本しかできないと言うプロの要望に応じたそのWedge作りの一部始終を見せていただいてきましたのでレポートします。

まず今回登場する職人さんを紹介します(一人は本物の職人さん、もう一人はクラブ作りに強烈なこだわりのある営業さん)。

 

左の方がMTの頭文字にもなっているWedgeやアイアンの研磨を全てやっている職人の都丸(とまる)さん(都丸さんが削っているわけですから相当止まりそうですよね)。右の方が、営業もしながらクラブの組み立てに強烈にこだわりを持った徳江さん。


今回はMT-28 PROTOTYPEの完成までを順を追って紹介します。

MT Wedgeはプロの間での噂が噂を呼んで、広まっていったWedgeなのですが、340g前後のローヘッドの状態から、注文に合わせて290g程度のヘッド重量に研磨しながら形を整えていきます。最初はすでに持っているプロが他のプロに練習場で貸したりして、そのスピン性能や、構えやすいヘッド形状が気に入り、「○○プロと同じ形で....」というような注文が入るとのことです。その注文に応じてそのプロに出したスペックシートを見たり、形状の特徴など見た上で、研磨をしプロ用として出されていきます。そして受け取ったプロが気に入ると、さらに細部にわたって細かい注文が入り、ある時は新たなヘッドで削ったり、あるいはすでに手に渡っている物を新たに削りなおしたりしてまたプロの手に渡っていきます。下の写真がRAWヘッドの状態で、フェース面やスコアラインは入れられています。この部分は研磨の課程ではいっさい手を加えません。

 

 

最初に上の写真に見えるバリを取り、大まかな形状を整えます。この時点からプロの要求に応えた形で削って行きます。

 

徐々に細かい部分にも研磨が入ります。下の写真はネック部分の研磨が入った状態と、フェース面側の研磨がほぼ終わった状態です(まだ粗い状態です)。

  

形状的にほぼできあがると次は少し細かい番手のベルダー(ベルト研磨機)で細かい調整をします

 

ネック部分も写真のように非常になめらかになってきています。

 

最後に細かい部分をさらに細かい番手のベルダー(ベルト研磨機)でなめらかにします。

 

次にバフをかけて表面を更になめらかにします。

  

最後にサテン仕上げを施して完成です。ここまで時間にして約3時間程度かかります。色々削っている途中でシャフトを入れて構えてみたり、注文者の意見を聞きながらだった上に、私が写真を撮ったり色々質問したりしていたので若干多めに時間がかかっているかもしれません。

 

ここまでで、研磨は終了です。ここからは組み立てになります。


組み立て編  取材後記